-精神科コラム- 2026年6月

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暑くて眠れない夜にー6月から始める快適な睡眠対策 -2026年6月1日-

6月に入り、日中の気温が高くなる日が増えてきました。真夏ほどではないものの、湿度が高くなり始めるこの時期は、「暑くて寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「朝から疲れが取れない」といった睡眠の悩みが増える季節です。

実際、睡眠と体温には密接な関係があります。人間は眠る際に深部体温(体の内部の温度)を下げることで自然な眠気が生じます。しかし、室温や湿度が高いと体温が十分に下がらず、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりするのです。

今回は、暑い時期の不眠を改善するためのポイントについて解説します。

【なぜ暑いと眠れなくなるのか】

私たちの体は、就寝前になると手足の血管を広げて熱を放出し、深部体温を下げようとします。この体温低下が睡眠のスイッチになります。

ところが、室温や湿度が高いと熱がうまく逃げず、体温調節機能が十分に働きません。その結果、

・寝つくまで時間がかかる
・夜中に目が覚める
・眠りが浅くなる
・早朝に目覚めてしまう

といった症状が現れます。

また、暑さによる発汗や脱水も睡眠の質を低下させる原因になります。

【エアコンを我慢しない】

「体に悪いから」とエアコンを使わずに寝る方もいますが、近年の夏の気候を考えると、むしろ適切にエアコンを使用した方が睡眠には有益です。

一般的には室温26~28℃程度、湿度50~60%程度が快適とされています。

就寝後数時間で切れるタイマー設定にする方もいますが、夜間に再び室温が上昇すると睡眠が妨げられます。暑い夜は朝まで弱めに運転する方が睡眠の質が安定することも少なくありません。

風が直接身体に当たらないように調整し、必要に応じて除湿機能も活用しましょう。

【寝具を見直す】

睡眠環境の改善には寝具も重要です。

接触冷感素材のシーツや枕カバーは、寝床に入った瞬間の不快感を軽減してくれます。また、吸湿性や通気性に優れた綿素材や麻素材の寝具もおすすめです。

特に枕は熱がこもりやすいため、蒸れにくい素材を選ぶことで快適性が向上します。

一方で、冷感グッズだけに頼りすぎる必要はありません。最も重要なのは「熱がこもらない環境」を作ることです。

【就寝前の入浴を活用する】

「暑い日はシャワーだけ」という方も多いですが、実は睡眠のためには入浴が効果的です。

38~40℃程度のぬるめのお湯に10~15分程度浸かることで、一時的に体温が上昇します。その後、体温が下がる過程で自然な眠気が生じます。

理想的には就寝の1~2時間前に入浴を済ませておくとよいでしょう。

逆に、寝る直前の熱い風呂は交感神経を刺激し、寝つきを悪くすることがあります。

【水分補給を忘れない】

暑い時期は睡眠中にも多くの汗をかきます。

軽度の脱水でも睡眠の質が低下し、夜間覚醒の原因になることがあります。

寝る前にコップ1杯程度の水を飲む習慣は有効です。ただし、アルコールやカフェイン飲料は避けましょう。

アルコールは一時的に眠気を感じさせますが、睡眠後半の質を悪化させ、中途覚醒を増やすことが知られています。また、利尿作用によって夜間のトイレも増えてしまいます。

【スマートフォンは早めに切り上げる】

暑さで眠れないと、ついスマートフォンを見続けてしまう方もいます。

しかし、スマートフォンやタブレットから発せられる光は脳を覚醒させ、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。

「眠れないからスマホを見る」

「さらに眠れなくなる」

という悪循環に陥りやすいため注意が必要です。

就寝30分から1時間前にはスマートフォンを置き、照明も少し暗めにすると入眠しやすくなります。

【眠れないことを気にしすぎない】

不眠で悩む方に共通するのが、「早く寝なければ」という焦りです。

しかし、眠ろうと意識するほど脳は覚醒してしまいます。

ベッドに入って20~30分以上眠れない場合は、一度起きて静かな読書や軽いストレッチを行い、眠気が出てから再び横になる方が良い場合もあります。

特に暑い時期の不眠は環境要因による一時的なものが多く、「今夜も眠れないのでは」と考えすぎないことも大切です。

【おわりに】

6月は梅雨入りとともに気温と湿度が上昇し、睡眠環境が大きく変化する季節です。睡眠不足が続くと、集中力の低下やイライラだけでなく、うつ病や不安障害の悪化、生活習慣病のリスク増加にもつながります。

暑さによる不眠は、気合いや我慢で乗り切るものではありません。エアコンや寝具を上手に活用し、適切な室温・湿度を保つことが最も効果的な対策です。

暑い夜が続くこれからの季節こそ、「眠るための環境づくり」を意識して、質の良い睡眠を確保していただければと思います。快適な睡眠は、心と身体の健康を支える大切な土台なのです。

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