-精神科コラム- 2026年6月

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梅雨の時期、心の健康にも気を配りましょう -2026年6月30日-

梅雨になると、雨の日が続き、どんよりとした空模様が続きます。「なんとなく気分が晴れない」「やる気が出ない」「いつもより疲れやすい」と感じることはありませんか?

実は、梅雨の時期は体だけでなく、心も疲れやすくなる季節です。気分が落ち込みやすくなるのは、決して気の持ちようだけではありません。気候の変化が私たちの心と体に影響を与えているためです。

曇りや雨の日が続くと、太陽の光を浴びる時間が少なくなります。太陽の光には、気持ちを安定させる働きがあるため、日照時間が短くなると気分が沈みやすくなったり、やる気が出にくくなったりすることがあります。また、気圧の変化や湿度の高さは自律神経のバランスを乱しやすく、頭痛や肩こり、だるさ、不眠などを引き起こし、その影響で心まで疲れてしまうこともあります。

そんな梅雨を少しでも快適に過ごすためには、毎日の生活を少し意識することが大切です。

まず心掛けたいのは、生活リズムを整えることです。休みの日でも、できるだけ同じ時間に起きるようにしてみましょう。朝起きたらカーテンを開けて部屋を明るくし、晴れ間があれば10~20分ほど外を歩くだけでも気分転換になります。雨の日でも、窓際で自然の光を感じるだけでも効果が期待できます。

次におすすめなのが、軽く体を動かすことです。雨の日は外出がおっくうになりがちですが、自宅でストレッチをしたり、ラジオ体操をしたりするだけでも十分です。体を動かすと血行が良くなり、気分もリフレッシュしやすくなります。「少しだけやってみよう」という気持ちで始めることが長続きのコツです。

睡眠も心の健康には欠かせません。梅雨は湿気が多く寝苦しい日もありますので、エアコンの除湿機能や扇風機を上手に使って、快適な寝室づくりを心掛けましょう。また、寝る前のスマートフォンは脳を刺激して眠りを浅くすることがあるため、できれば就寝30分前には画面を見る時間を減らしてみるのがおすすめです。

食事も大切なポイントです。朝食をしっかり食べることで体内時計が整いやすくなります。また、肉や魚、大豆製品などのたんぱく質や、野菜、果物をバランスよく取り入れることで、心と体の元気を支えることができます。疲れているときほど、食事を抜かずに規則正しく食べることを意識してみましょう。

そして、何より大切なのは「無理をしないこと」です。梅雨の時期は、いつもより集中できなかったり、気持ちが前向きになれなかったりする日があっても不思議ではありません。そんな日は「今日はこういう日なんだ」と受け止め、自分を責めないことが大切です。

お気に入りの音楽を聴く、温かい飲み物を飲む、本を読む、好きな香りを楽しむなど、自分がほっとできる時間をつくることも心のリフレッシュにつながります。忙しい毎日の中でも、ほんの10分でも自分のための時間を持つことで、気持ちが少し軽くなることがあります。

もし、気分の落ち込みや眠れない状態が長く続いたり、日常生活に支障が出るほどつらく感じたりする場合は、一人で我慢せず、家族や友人、医療機関などに相談してください。早めに誰かに話すことは、決して特別なことではなく、自分自身を大切にするための大事な一歩です。

梅雨は毎年やってくる季節ですが、少しだけ生活を工夫し、自分の心と体をいたわることで、過ごしやすさは大きく変わります。雨の日が続くからこそ、いつも以上に自分を大切にする時間を持ってみませんか。無理をせず、自分のペースで、この季節を穏やかに乗り切っていきましょう。

精神科医の視点から考える「ボルズィ®」と「デエビゴ®」の違い -2026年6月24日-

~どちらが良い睡眠薬なのでしょうか?~

「新しい睡眠薬のボルズィとデエビゴは何が違うのですか?」

最近、外来で患者さんからこのような質問を受ける機会が増えてきました。

どちらも「オレキシン受容体拮抗薬」という新しいタイプの睡眠薬であり、従来の睡眠薬とは異なる作用を持っています。そのため、「依存しにくい睡眠薬」として紹介されることもありますが、それぞれに特徴があり、向いている患者さんも異なります。

今回は精神科医の立場から、両者の違いについてご説明します。

「眠らせる」のではなく、「目を覚まし続ける力」を弱める薬

従来の睡眠薬の多くは、脳の働きを全体的に抑えることで眠気を引き起こします。

一方、ボルズィとデエビゴは、脳内で覚醒を維持する「オレキシン」という物質の働きを抑えます。

そのため、自然な眠りに近い睡眠を促しやすく、依存性や記憶障害、ふらつきなどのリスクが比較的少ないと考えられています。

【デエビゴは「しっかり眠りたい方」に向いていることがあります】

デエビゴは発売以来、多くの患者さんに使用されてきました。

臨床試験では、

  • 寝つきを改善する効果
  • 夜中に目が覚める回数を減らす効果
  • 睡眠時間を延ばす効果

が確認されており、現在では不眠症治療の第一選択薬の一つとなっています。

実際の診療でも、「眠れない」という症状が強い患者さんでは、デエビゴによって睡眠が大きく改善することがあります。

一方で、効果が十分である反面、「翌朝も眠気が残る」「朝起きにくい」と感じる患者さんもいらっしゃいます。特に高齢の方や、朝早くから仕事や通勤がある方では、この点に注意が必要です。

【ボルズィは「翌朝のすっきり感」を重視した薬】

ボルズィも同じオレキシン受容体拮抗薬ですが、薬が体内から比較的速やかに減少するよう設計されています。

そのため、臨床試験では十分な睡眠改善効果を維持しながらも、翌朝への持ち越しを少なくすることが期待されています。

「睡眠薬は効くけれど、朝がつらい」
「起きても頭がぼんやりする」

という患者さんでは、ボルズィが選択肢となる場合があります。

もちろん、個人差があるため、すべての方が翌朝すっきり起きられるとは限りませんが、朝の活動性を重視する方には期待されている薬剤です。


【「新しい薬=一番良い薬」ではありません】

新しい薬が発売されると、「一番効く薬なのでは?」と思われる方もいらっしゃいます。

しかし、睡眠薬は患者さん一人ひとりの睡眠の特徴や生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。

例えば、

・寝つきが悪いのか
・途中で目が覚めるのか
・朝早く目が覚めてしまうのか
・翌朝何時に起きる必要があるのか
・他の病気や服用中のお薬はあるのか

などを総合的に判断して選択します。

そのため、「ボルズィの方が優れている」「デエビゴの方が効く」と単純に比較することはできません。

【睡眠薬だけでは解決しない不眠もあります】

精神科外来では、不眠症の背景に、

  • ストレス
  • うつ病
  • 双極性障害
  • 不安障害
  • 睡眠時無呼吸症候群

などが隠れていることも少なくありません。

このような場合は、睡眠薬だけを変更しても十分な改善が得られないことがあります。

また、就寝時間が毎日異なる、寝る直前までスマートフォンを見ている、夕方以降にカフェインを多く摂取しているなど、生活習慣が睡眠に影響していることもあります。

睡眠薬はあくまで治療の一つであり、生活習慣の見直しや原因となる病気の治療を合わせて行うことが、より良い睡眠につながります。


【中延医院からのメッセージ】

不眠症は「眠れない」という症状だけではなく、その背景にさまざまな原因が隠れていることがあります。

中延医院では、単に睡眠薬を処方するだけではなく、「なぜ眠れないのか」を患者さんと一緒に考え、一人ひとりに合った治療をご提案しています。

ボルズィ、デエビゴをはじめ、それぞれの薬には長所と特徴があります。患者さんの生活スタイルや症状に応じて適切な薬を選択し、安全で質の高い睡眠を目指していきます。

睡眠についてお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

新しい睡眠薬「ボルズィ®」とは? ~臨床試験から見えてきた従来の睡眠薬との違い~ -2026年6月16日-

2025年12月に承認された新しい不眠症治療薬である ボルズィ(一般名:ボルノレキサント) は、近年注目されているオレキシン受容体拮抗薬に分類されます。従来の睡眠薬と比較して「自然な眠りに近い睡眠」を目指して開発された薬剤ですが、同じオレキシン受容体拮抗薬である ベルソムラ や デエビゴ とも異なる特徴を持っています。

【不眠症治療薬の歴史】

長年、不眠症治療の中心はベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬でした。これらは脳のGABA受容体を介して脳全体の活動を抑制し、眠気を生じさせます。

そのため、

  • ふらつき
  • 転倒
  • 翌朝の眠気
  • 記憶障害
  • 依存性

などの問題が指摘されてきました。

これに対しオレキシン受容体拮抗薬は、「眠らせる」のではなく「覚醒を維持する仕組みを弱める」という全く異なる発想で開発されています。

【ボルズィⓇの作用機序】

オレキシンは脳内で覚醒を維持する神経ペプチドです。

日中に私たちが活動的でいられるのは、オレキシン神経が活発に働いているためです。

ボルズィはオレキシン受容体(OX1R・OX2R)を阻害し、過剰な覚醒状態を解除することで睡眠を促します。従来薬のように脳全体を抑制するわけではないため、生理的な睡眠構造を比較的保ちやすいと考えられています。

臨床試験で注目された最大の特徴

ボルズィの最大の特徴は、

「効果発現が速く、翌朝への持ち越しが少ない」

ことです。

臨床試験では、

  • 入眠までの時間(睡眠潜時)の短縮
  • 夜間覚醒時間の減少
  • 総睡眠時間の延長

が確認されました。

さらにボルノレキサントは既存のオレキシン受容体拮抗薬よりも半減期が短く設計されており、翌朝まで薬効が残りにくいことが特徴です。

【デエビゴ・ベルソムラとの違い】

臨床的には以下のような違いが考えられています。

ベルソムラ 最初のオレキシン受容体拮抗薬。効果は安定しているが持続時間が比較的長い
デエビゴ 入眠障害・中途覚醒の双方に有効性が高い

ボルズィ 作用時間が短く、翌朝の眠気軽減が期待される


【安全性について】

臨床試験で報告された副作用は比較的軽度で、

  • 傾眠
  • 頭痛
  • めまい

などが中心でした。

また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬で問題となる依存形成や離脱症状は少ないと考えられています。ただし、「依存性が全くない」という意味ではなく、漫然と長期使用するのではなく定期的な評価は必要です。

【精神科医の視点】

精神科外来では、

  • 「寝付きが悪い」
  • 「途中で目が覚める」
  • 「翌朝薬が残るのが困る」

という患者さんは少なくありません。

ボルズィは特に、

翌朝の眠気をできるだけ避けたい患者さん

に適した薬剤となる可能性があります。

一方で、不眠症の原因がうつ病、双極性障害、不安障害、睡眠時無呼吸症候群などの場合は、睡眠薬だけで解決しないことも多くあります。不眠症治療では薬剤選択だけでなく、睡眠衛生指導や原疾患の治療も同じくらい重要です。

【まとめ】

ボルズィは新しいオレキシン受容体拮抗薬であり、

  • 自然な睡眠に近い作用機序
  • 入眠障害・中途覚醒の改善
  • 翌朝への持ち越しの少なさ
  • 依存性リスクの低さ

が特徴です。特に「睡眠薬は効くけれど朝がつらい」という患者さんにとって、有力な選択肢となる可能性があります。今後は実臨床での使用経験が蓄積されることで、どのような患者さんに最も適しているかがさらに明らかになっていくでしょう。

臨床医の視点から感じる「復職判定」の基準とは -2026年6月9日-

【~生活リズムと睡眠リズムの安定が復職への第一歩~】

休職中の方から、「もう仕事に戻れますか?」「主治医から復職可能と言われましたが、本当に大丈夫でしょうか?」という相談を受けることがあります。また、企業の人事担当者や産業医からも、「どのような状態であれば復職可能と考えるべきでしょうか」という質問をいただくことがあります。

復職判定は単純に「症状が軽くなったから復職できる」というものではありません。臨床医として多くの患者さんを診てきた経験から感じるのは、「働ける状態」と「病気が治った状態」は必ずしも同じではないということです。

【症状の改善だけでは不十分】

例えば、うつ病や適応障害で休職した方の場合、「気分の落ち込みが改善した」「不安が減った」というだけでは復職できるとは言えません。

仕事には決まった時間に起床し、通勤し、集中力を維持しながら業務を行い、人間関係にも対応することが求められます。

診察室で30分話せることと、1日8時間働くことの間には大きな差があります。

そのため臨床医は、症状の有無だけでなく、

  • 安定して起床できているか
  • 日中に活動できているか
  • 外出習慣があるか
  • 集中力が維持できるか
  • 疲労から回復できるか

といった点を総合的に確認しています。

【最も重要なのは生活リズムの安定】

私が復職判定で特に重視しているのは、生活リズムです。

休職中はどうしても生活が不規則になりがちです。

夜中の2時、3時まで起きていて昼頃に起床する生活を送っている方も少なくありません。しかし、そのような状態で月曜日から会社勤務を開始しても、体がついていけないことがほとんどです。

復職前には少なくとも数週間以上、

  • 毎日同じ時間に就寝する
  • 毎日同じ時間に起床する
  • 平日も休日も大きく崩れない

という生活習慣が維持できていることが望ましいと考えています。

「朝7時に起きて、夜11時頃に就寝する」といった勤務日に近い生活が自然に送れていることが理想です。

【睡眠リズムは心の健康の土台】

精神疾患と睡眠には非常に深い関係があります。

うつ病では不眠が現れやすく、双極性障害では睡眠時間の変化が再発のサインとなることがあります。適応障害であっても、睡眠不足が続けばストレス耐性は大きく低下します。

そのため私は、

「何時間寝ているか」

よりも、

「毎日ほぼ同じ時間に眠れているか」

を重視しています。

休日だけ昼まで寝ている、夜更かしを繰り返している、昼寝が長時間になっている場合は、復職後に生活が崩れる可能性があります。

安定した睡眠リズムは、集中力や判断力、感情の安定にも直結します。

【模擬出勤ができるか】

復職判定の際には、「模擬出勤」ができているかも重要です。

例えば、

  • 朝決まった時間に起床する
  • 通勤時間帯に外出する
  • 図書館やカフェで数時間過ごす
  • 自宅で一定時間パソコン作業を行う

など、実際の勤務を想定した活動が継続できているかを確認します。

休職期間中にほとんど自宅で横になっていた方が、いきなりフルタイム勤務へ戻るのは現実的ではありません。

復職はゴールではなく、再び働き続けるためのスタートだからです。

【再発予防の視点が重要】

復職判定で最も避けたいのは、「早すぎる復職」です。

本人が焦りを感じている場合や、経済的な事情から早く復職したいと考える場合もあります。しかし準備不足のまま復職すると、数週間から数か月で再休職となるケースも少なくありません。

復職判定は「今日働けるか」ではなく、

「数か月後も安定して働き続けられるか」

という視点で考える必要があります。

【おわりに】

臨床医の立場から見ると、復職判定において最も大切なのは、症状の改善だけではなく、安定した生活リズムと睡眠リズムが確立されていることです。

毎日決まった時間に起床し、日中活動し、夜に自然と眠くなる。この当たり前の生活が継続できて初めて、仕事という社会生活を支える土台が整います。

復職は病気の終わりではなく、新しいスタートです。焦って復職するのではなく、生活リズムと睡眠リズムを十分に整え、自信を持って職場へ戻ることが、長期的な就労継続につながると考えています。

暑くて眠れない夜にー6月から始める快適な睡眠対策 -2026年6月1日-

6月に入り、日中の気温が高くなる日が増えてきました。真夏ほどではないものの、湿度が高くなり始めるこの時期は、「暑くて寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「朝から疲れが取れない」といった睡眠の悩みが増える季節です。

実際、睡眠と体温には密接な関係があります。人間は眠る際に深部体温(体の内部の温度)を下げることで自然な眠気が生じます。しかし、室温や湿度が高いと体温が十分に下がらず、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりするのです。

今回は、暑い時期の不眠を改善するためのポイントについて解説します。

【なぜ暑いと眠れなくなるのか】

私たちの体は、就寝前になると手足の血管を広げて熱を放出し、深部体温を下げようとします。この体温低下が睡眠のスイッチになります。

ところが、室温や湿度が高いと熱がうまく逃げず、体温調節機能が十分に働きません。その結果、

・寝つくまで時間がかかる
・夜中に目が覚める
・眠りが浅くなる
・早朝に目覚めてしまう

といった症状が現れます。

また、暑さによる発汗や脱水も睡眠の質を低下させる原因になります。

【エアコンを我慢しない】

「体に悪いから」とエアコンを使わずに寝る方もいますが、近年の夏の気候を考えると、むしろ適切にエアコンを使用した方が睡眠には有益です。

一般的には室温26~28℃程度、湿度50~60%程度が快適とされています。

就寝後数時間で切れるタイマー設定にする方もいますが、夜間に再び室温が上昇すると睡眠が妨げられます。暑い夜は朝まで弱めに運転する方が睡眠の質が安定することも少なくありません。

風が直接身体に当たらないように調整し、必要に応じて除湿機能も活用しましょう。

【寝具を見直す】

睡眠環境の改善には寝具も重要です。

接触冷感素材のシーツや枕カバーは、寝床に入った瞬間の不快感を軽減してくれます。また、吸湿性や通気性に優れた綿素材や麻素材の寝具もおすすめです。

特に枕は熱がこもりやすいため、蒸れにくい素材を選ぶことで快適性が向上します。

一方で、冷感グッズだけに頼りすぎる必要はありません。最も重要なのは「熱がこもらない環境」を作ることです。

【就寝前の入浴を活用する】

「暑い日はシャワーだけ」という方も多いですが、実は睡眠のためには入浴が効果的です。

38~40℃程度のぬるめのお湯に10~15分程度浸かることで、一時的に体温が上昇します。その後、体温が下がる過程で自然な眠気が生じます。

理想的には就寝の1~2時間前に入浴を済ませておくとよいでしょう。

逆に、寝る直前の熱い風呂は交感神経を刺激し、寝つきを悪くすることがあります。

【水分補給を忘れない】

暑い時期は睡眠中にも多くの汗をかきます。

軽度の脱水でも睡眠の質が低下し、夜間覚醒の原因になることがあります。

寝る前にコップ1杯程度の水を飲む習慣は有効です。ただし、アルコールやカフェイン飲料は避けましょう。

アルコールは一時的に眠気を感じさせますが、睡眠後半の質を悪化させ、中途覚醒を増やすことが知られています。また、利尿作用によって夜間のトイレも増えてしまいます。

【スマートフォンは早めに切り上げる】

暑さで眠れないと、ついスマートフォンを見続けてしまう方もいます。

しかし、スマートフォンやタブレットから発せられる光は脳を覚醒させ、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。

「眠れないからスマホを見る」

「さらに眠れなくなる」

という悪循環に陥りやすいため注意が必要です。

就寝30分から1時間前にはスマートフォンを置き、照明も少し暗めにすると入眠しやすくなります。

【眠れないことを気にしすぎない】

不眠で悩む方に共通するのが、「早く寝なければ」という焦りです。

しかし、眠ろうと意識するほど脳は覚醒してしまいます。

ベッドに入って20~30分以上眠れない場合は、一度起きて静かな読書や軽いストレッチを行い、眠気が出てから再び横になる方が良い場合もあります。

特に暑い時期の不眠は環境要因による一時的なものが多く、「今夜も眠れないのでは」と考えすぎないことも大切です。

【おわりに】

6月は梅雨入りとともに気温と湿度が上昇し、睡眠環境が大きく変化する季節です。睡眠不足が続くと、集中力の低下やイライラだけでなく、うつ病や不安障害の悪化、生活習慣病のリスク増加にもつながります。

暑さによる不眠は、気合いや我慢で乗り切るものではありません。エアコンや寝具を上手に活用し、適切な室温・湿度を保つことが最も効果的な対策です。

暑い夜が続くこれからの季節こそ、「眠るための環境づくり」を意識して、質の良い睡眠を確保していただければと思います。快適な睡眠は、心と身体の健康を支える大切な土台なのです。

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