夏休みが終わり、新学期が始まると、「朝起きられない」「学校に行こうとするとお腹が痛くなる」「玄関まで行ったものの、どうしても学校へ入れない」といった子どもの姿がみられることがあります。
保護者としては、「このまま不登校になったらどうしよう」「休ませてしまって大丈夫なのだろうか」と不安になるものです。しかし、まず大切なのは、「学校に行けない=怠けている」と考えないことです。
【「行きたくない」のではなく「行けない」こともあります】
子どもが学校に行けない背景には、さまざまな理由があります。
友人関係、勉強や成績への不安、先生との関係、集団生活への疲れ、生活リズムの乱れなど、本人もはっきりと言葉にできないストレスが積み重なっていることがあります。
また、明確な原因が見当たらなくても、夏休みの間に崩れた生活リズムや、長期間の休みから学校生活へ戻ること自体が大きな負担になることもあります。
「明日は学校に行ける?」と何度も聞かれることで、子ども自身が「行かなければならないのに行けない」というプレッシャーを感じてしまうこともあります。
【まずは「学校に行くこと」より「安心できる状態」を】
学校に行くことはもちろん大切ですが、子どもの心身が疲れ切っているときに、無理に登校させることが必ずしも良い結果につながるとは限りません。
まずは、
- 朝起きられた
- 朝食を食べられた
- 着替えることができた
- 少し外に出られた
- 家族と話すことができた
など、小さな変化を認めてあげることが大切です。
「今日は学校に行けなかった」という一点だけを見るのではなく、子どもが今どの程度の力を残しているのかを見るようにしましょう。
【「どうして行けないの?」と問い詰めない】
保護者としては原因を知りたくなります。しかし、「どうして行けないの?」「何が嫌なの?」「明日は行ける?」と繰り返し聞かれると、子どもが追い詰められてしまうことがあります。
原因をすぐに聞き出すより、
「今はちょっとしんどいんだね」
「話したくなったらいつでも話してね」
「学校のことは一緒に考えていこう」
と伝え、安心して話せる環境を作ることが大切です。
【生活リズムは「少しずつ」整える】
学校に行けない状態が続くと、昼夜逆転したり、家でゲームや動画を長時間見たりすることもあります。
ただし、いきなり「朝6時に起きる」「ゲームは禁止」とするのではなく、まずは起床時間をある程度一定にする、朝にカーテンを開ける、食事をとる、日中に少し身体を動かすなど、できることから始めてみましょう。
生活リズムが整ってくると、それだけでも心身の回復につながります。
【長引く場合は、早めに相談を】
学校に行けない状態が長く続く場合や、朝になると強い腹痛・頭痛が出る、眠れない、食欲がない、気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないなどの変化がある場合には、一度専門機関へ相談することをおすすめします。
小児科、児童精神科、心療内科、学校のスクールカウンセラーなど、相談できる場所はいくつかあります。
特に、「消えたい」「死にたい」などの発言がある場合、自分を傷つける行動がある場合には、早急に医療機関へ相談してください。
【新学期は「再スタート」ではなく「調整期間」と考える】
新学期だからといって、9月1日から以前と同じ生活に戻る必要はありません。
学校へ毎日通えることだけを目標にするのではなく、
「今日はどこまでならできるだろう?」
と考えてみることが大切です。
教室に入ることが難しければ保健室や別室から始める、午前中だけ登校する、先生と話すだけにするなど、学校との関わり方にはさまざまな方法があります。
子どもが学校へ行けないと、保護者も焦りや不安を感じます。しかし、子どもにとって必要なのは、「早く学校に戻ること」だけではありません。
安心できる場所を確保し、心身の状態を整えながら、その子なりのペースで次の一歩を探していくこと。
それが、新学期を乗り越えるための大切なスタートになります。