パソコンやスマートフォン、タブレットなどを長時間使っていると、「目が疲れる」「肩や首がこる」「頭が痛い」「集中できない」「なんとなくだるい」と感じることはありませんか?
こうした、画面を見ながら長時間作業することで起こる心身の不調は、一般に「VDT症候群 / Visual Display Terminal Syndrome」と呼ばれています。
仕事でパソコンを使う方だけでなく、スマートフォンやタブレットを長時間使う方にも起こります。
【VDT症候群は「目の疲れ」だけではありません】
VDT症候群というと、目の疲れを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実際には、
- 目が疲れる、乾く、かすむ
- 目の奥が痛い
- 首や肩がこる
- 頭痛がする
- 腰や背中が痛い
- 体がだるい
- 集中力が低下する
- イライラしやすくなる
- 寝つきが悪くなる
など、さまざまな症状が出ることがあります。
特に注意したいのが、「疲れているのに休めない」という状態です。
パソコンで仕事をした後、自宅に帰ってからスマートフォンでSNSや動画を見る。そのまま寝る直前まで画面を見ている――。
これでは、目も脳も十分に休むことができません。
対策①「50分作業+10分休憩」を意識する
最も大切なのは、長時間続けて画面を見ないことです。
例えば、
50分パソコン作業 → 10分休憩
というサイクルを意識してみましょう。
休憩中は、パソコンから離れて立ち上がったり、少し歩いたり、窓の外を眺めたりしてください。
ここでスマートフォンを見てしまうと、目や脳が休まりません。
「休憩=スマートフォンを見る時間」ではなく、「画面を見ない時間」にすることがポイントです。
対策② 20分に一度、遠くを見る
画面を集中して見ていると、目のピントを合わせる筋肉が緊張し続けます。
そこで、作業中は時々画面から目を離して、遠くを眺めるようにしましょう。
「20分ごとに20秒程度、6m以上離れた場所を見る」という20-20-20ルールも参考になります。
毎回正確に20分を測る必要はありません。
「メールを確認したら窓の外を見る」「一区切りついたら遠くを見る」など、習慣にするとよいでしょう。
対策③ パソコンの画面を適切な位置にする
画面が近すぎたり、低すぎたりすると、目だけでなく首や肩にも負担がかかります。
目安として、画面は目から40~70cm程度離すようにしましょう。
また、画面の上端が目の高さと同じか、少し低い位置になるようにすると、首を大きく下に向けずに済みます。
ノートパソコンを長時間使う場合は、画面を高くして、外付けキーボードやマウスを使う方法もあります。
対策④ 「見えにくい」を我慢しない
小さな文字を目を凝らして読むと、目が疲れやすくなります。
文字が小さいと感じたら、パソコンやスマートフォンの表示サイズを大きくしましょう。
「画面を拡大すると見やすいけれど、仕事がしにくい」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、無理に小さな文字を読むよりも、最初から見やすい大きさに設定する方が目への負担を減らせます。
対策⑤ 1時間に一度は立ち上がる
長時間座りっぱなしになることも、VDT作業による疲労の原因になります。
1時間に一度程度は立ち上がって、
- 肩を回す
- 背伸びをする
- 首をゆっくり動かす
- 少し歩く
などをしてみましょう。
トイレに行く、飲み物を取りに行く、コピーを取りに行くなど、仕事の中で自然に体を動かす機会を作るのもおすすめです。
対策⑥ 帰宅後は「画面から離れる時間」を作る
仕事が終わった後もスマートフォンや動画を見続けていませんか?
仕事でパソコンを使い、帰宅後にスマートフォンを使い、寝る前にまた動画を見る。
このような生活では、1日を通して目や脳が休む時間がほとんどありません。
疲れている日は、
- 散歩する
- 音楽を聴く
- 入浴する
- 家族と話す
- 軽くストレッチする
など、画面を使わない時間を意識的に作ってみましょう。
対策⑦ 睡眠を削らない
VDT症候群では、睡眠も非常に重要です。
「仕事が終わらないから夜遅くまでパソコンをする」
「眠れないからベッドでスマートフォンを見る」
という生活が続くと、疲労がさらに蓄積してしまいます。
特に睡眠に問題がある方は、寝る30~60分前からスマートフォンやパソコンを見る時間を減らすことをおすすめします。
睡眠不足になると、翌日の集中力や仕事の効率も低下します。
すると仕事が終わらず、さらに長時間パソコンを使う――という悪循環になってしまいます。
「休憩は仕事をサボること」ではありません
忙しいと、「休憩するより仕事を続けた方が早い」と考えてしまいがちです。
しかし、疲労がたまると集中力が低下し、仕事の効率も落ちていきます。
そのため、
疲れてから休むのではなく、疲れる前に休む。
これがVDT作業では大切です。
休憩は仕事をサボるためのものではありません。
長く健康的に働き続けるために必要な時間です。
まずはこの7つから始めてみましょう
すべてを一度に変える必要はありません。
まずは、
① 50分作業したら10分休む
② 休憩中はスマートフォンを見ない
③ 20分に一度は遠くを見る
④ 画面を目から40~70cm程度離す
⑤ 1時間に一度は立って体を動かす
⑥ 帰宅後に画面から離れる時間を作る
⑦ 睡眠時間を削らない
この7つを意識してみてください。
目の疲れや肩こりだけでなく、**「仕事に集中できない」「疲れて何もする気になれない」「眠っても疲れが取れない」**といった症状が続く場合には、単なるパソコン疲れではなく、睡眠不足やストレス、こころの不調が関係している可能性もあります。
症状が長く続く場合や日常生活・仕事に支障が出ている場合は、無理をせず医療機関に相談しましょう。